「すみません、特別食をお願いしていた者ですが」−。
10年ほど前、小・中・高校一貫の私立校の研修センターで給食部門を担当していたとき、食堂のカウンター越しに高校生から声を掛けられました。
「特別食」というのは「食物アレルギー」に対応した食事のことである。
「そば」「ナッツ」「高脂肪食品」などはもちろん、小麦や米のアレルギーを持つ子供もいた。
食堂には最大200人程度が入れたが、多いときは一度に10人分以上の「特別食」を用意したこともありました。
症状が重ければ「特別食」すら食べられず、両親が作った弁当を持ち込む場合も。
「食物」自体の成分にも要因がありますが、近年は「農薬」に起因するアレルギーもクローズアップされ、それが今話題の「無農薬農法」へとつながっています。
理想の農法は農家の「破産」を招く「もろ刃の剣」でもあることは、周知の通りです。
お取り寄せダイニング「十勝屋」にも、十勝の無農薬・減農薬野菜が多く届けられます。
「自然」という言い訳や謝罪の通じない相手に対峙(たいじ)する生産者の努力・苦労はいかほどか、ずっと室内で働いてきた私には想像もできないのです。
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