今から30年ほど前、上司に無理を言い、米ロサンゼルスにある飲食店を2週間ほど訪れる機会がありました。その店は上司の幼なじみが営んでいました。
オーナーは高校卒業後、土木作業員として働きながら日本で資金をため、憧れの国・アメリカに渡り店を立ち上げたそうです。
職場でその話を聞いた私は、居ても立ってもいられなくなり、「ぜひ会いに行きたい」と上司にお願いしました。
そこで働いていたのは中国人とベトナム人の青年、そしてメキシコから来た15歳の少年の計5人ほど。繁盛店の舞台裏である厨房(ちゅうぼう)の忙しさは相当なものでした。
メキシコの少年の夢は、自身もアメリカで飲食店を開き、当時内戦状態だった祖国から両親を呼び寄せること。
ベトナムの青年もアメリカでシステム・エンジニアとして成功し、両親に楽な暮らしをさせたいという夢を持ちながら働いていました。
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